2008 年 10 月 22 日

枕たたきの効用

カテゴリー: 人間関係, 本の紹介 — zense @ 11:35 PM

怒りを外に向かってぶちまけることは、怒りの処方箋としては、

最高のものではありません。怒りをいったん外にむけてぶちまける

ということは、意識の深層で、わざわざ腹を立てる練習やリハーサルをして、

もっと強烈な怒りに育てあげるようなものです。

相手に怒りをぶつけてしまったら、双方ともにずいぶん傷ついてしまいます。

なかにはすぐに自分の部屋に駆け込んで、ドアに鍵をかけて、

枕を叩いて怒りを解消する人もいます。

これを称して「怒りの解消法」といいます。

しかし、これでは、まったく怒りと触れ合うことにはなりません。

枕に触れたことにさえなりません。もしあなたが本当に枕と触れ合っていたら、

枕は何をするためのものかわかるので、叩いたりしないはずです。

そうはいっても、この方法は一時的には効果があるかもしれません。

枕を思いっきり叩いたら、体力を消耗して疲れてしまい、

少しは気分が晴れるかもしれません。

しかし、怒りの根はいまだ手つかずのままなので、

その後、部屋から出て、おいしい食事でもとれば、また元気を取り戻します。

怒りの種に水をやれば、また芽をふいて、もう一度枕を叩かなければ

気がすまなくなります。

枕たたきはちょっとした息抜きにはなりますが、決して長つづきするもの

ではありません。

本当に怒りを変容させるには、怒りの根を掘り起こさなければなりません。

怒りの原因を深く見つめてください。

そうしないかぎり、怒りはまた芽ばえてきます。

日々気づきの練習をしながら、新しい健全な種を播いてゆけば、

気づきは怒りを見守り、自然に別の感情に変えてくれます。


『微笑みを生きる―「気づき」の瞑想と実践』
ティクナットハン著
池田 久代 訳



ネガティブな感情が起こったとき、起こってないフリをしたり、

なにか別の感情に強引に変えようとしたりすると、

いつの日かその感情に復讐されます。


ポジティブな感情しか持たないようにしていると、

カラダのどこかが不調になったり、

家族の誰かがネガティブになって、

バランスを保とうとします。


怒りの感情が起こったとき、まずは怒りの感情を

よく見つめてみます。観察します。

すると、いつの間にか、怒りは穏やかになって、

静まっています。

怒りを表すのは、それからでも遅くありません。

怒りを感じて、すぐに表現すると、怒りに全身を包まれて

飲み込まれてしまいます。

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