現実的なポジティブ思考
ヴィパッサナー瞑想の講話で、
今までにない視点の話を聴いたのでご紹介します。
母親が息子に空ビンと10ルピー札をもたせ、近所の店で
油を買ってくるように言いつけました。息子は言われたとおりに
お店に行って、ビンいっぱいに油を入れてもらいました。
ところが帰り道、うっかり転んでビンを落としてしまったのです。
あわててビンを拾い上げましたが、油は半分ほどこぼれて
しまいました。息子は泣きべそをかきながら家に帰ると言いました。
「油が半分こぼれちゃった。半分になっちゃったよう」
息子はすっかりしょげています。
母親は、二人目の息子にも空ビンと10ルピー札をもたせ、
おつかいに出しました。するとこの子も帰り道に転んでビンを
落として割ってしまいました。また、油が半分こぼれてしまいました。
ビンを拾って家に帰ると、この子はニコニコして母親に言いました。
「ビンを落としちゃった。でも割れないで、半分しかこぼれなかったよ。
割れて全部こぼれちゃったかと思ったけど、だいじょうぶだった。
半分はこぼれずに済んだよ」
前の子もこの子も、まったく同じ目に遭いながら、ひとりは泣きべそ、
ひとりはニコニコ。同じように半分になったビンをもって、ひとりは半分しか
ないといい、ひとりは半分もあるというのです。
さて母親は今度は3人目の息子をおつかいにやりました。この子もまた
帰り道に転んでビンを落としてしまいます。ビンを拾って帰ると、
この子はニコニコして母親に言いました。
「お母さん、油は半分残ってるよ」
この子は、楽観的なだけでなく、現実的でもありました。
(油の半分はこぼさずに済んだ。でも半分はなくなってしまった)と
ちゃんとわかっていました。そこで母親にこういいました。
「ぼく、今日は市場に行って働いてくる。そして5ルピー稼いで
油をビンにいっぱいにしてくるよ」
『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法』
ウィリアム ハート 著
売上が50パーセント減少して、
「よかった。まだ半分残っているよ」
などとポジティブシンキングで言っていては、即クビです。
現実的なポジティブシンキングを覚える必要がありますね。
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