だってだってのおばあさん
セルフイメージという言葉があります。
自分のことを自分でどう考えているのか?
こちらの童話は、セルフイメージについて氣づかせてくれます。
『だってだってのおばあさん』(あらすじ)
さのようこ作
おばあさんは、98歳でした。
おばあさんは、5歳の男の子のねこと暮らしています。
今日も、ねこは川へ魚釣りに出かけます。
「おばあさんも釣りに行く?」
「だってわたしは98歳だから、魚釣りには行かないよ」
おばあさんは、毎日、窓の近くのイスに座って、
畑で取れた豆の皮をむいたり、お昼寝をしたりしました。
「だって、わたしは98歳だもの」
今日は、おばあさんの99歳の誕生日でした。
おばあさんはケーキを作るのが上手で、ねこも
おばあさんのケーキが大好きでした。
「だって、おばあちゃんはケーキを作るのが上手なものよ」
おばあさんは、ねこにケーキに飾るろうそくを99本買ってきてと
頼みました。
「ろうそくを数えなくちゃ、ほんとうの誕生日じゃないもの」
ねこは急いでろうそくを買いに行きました。
ケーキは上手に焼けました。
そのとき、ねこが大きな声で泣いて帰ってきました。
あんまり急いだので、川の中にろうそくを落としてしまい、
5本しか持ってこれなかったのです。
「5本だってないよりましさ。さあ、ろうそくを上手にケーキに立てておくれ」
おばあさんは、明かりを消して、ろうそくに火をつけました。
「1つ、2つ、3つ、4つ、5つ。ろうそくを数えると、
ほんとうにお誕生日の気分になるわ」
「1歳、2歳、3歳、4歳、5歳。5歳のお誕生日、おめでとう」
ねこがもう一度数えました。
「1歳、2歳、3歳、4歳、5歳。5歳のお誕生日、おめでとう。
おばあちゃん、ほんとに5歳?」
「そうよ、だって、ちゃんとろうそくが5本あるもの。
今年、わたしは5歳になったのよ」
「ぼくとおんなじ!」
次の朝、ねこは魚釣りに出かけます。
「おばあちゃんもおいでよ」
「だって、わたしは、5歳だもの・・・・・・、あら、そうね!
5歳だから、魚釣りに行くわ」
川に来ると、ねこがぴょんと川を飛び越えました。
「おばあちゃんもおいでよ」
「だって、わたしは、5歳だもの。あら、そうね!
5歳だから、わたしも飛ぶわ」
ねこはズボンを脱いで川に飛び込みました。
「おばあちゃんもおいでよ」
「だって、わたしは5歳だもの。あら、そうね!
わたしも入るわ」
ねこもおばあさんもたくさん魚をとりました。
「ねえ、わたしどうして前から5歳にならなかったのかしら。
来年のお誕生日にも、ろうそく5本買ってきておくれ」
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