孤独の大切さ
自分はたった独りでこの世に生きる存在にすぎないという、
人間としての根本的な不安に耐える経験をしておくことが必要なのである。
人間はこの「不安に耐える」過程を通して、ある程度の自身をつけたり、
自己認識を深めたりしながら、自分に忠実に生きることを
学んでいくのである。
また、こうしたことはすべて他人との揺るぎないつながりを確立するための
基礎になるといえよう。たとえ子ども時代がつらかったとしても、
この自立の時期こそ「人生経験における一種の治療」的な役割を
果たすものなのである。
ところで、多くの人は結婚を急ぐあまり、孤独の苦しさをかみしめたり、
自信をつけるために模索する機会を往々にして逃してしまう。また、
自分の家族以外にはほとんど世間を知らないまま、じっくり考えないで
結婚相手を決めてしまうこともある。
こうした人は結婚生活に自分の生まれ育った家族にとって代わるような
安定感を求めたり、結婚自体を孤独からの避難場所として位置づけてしまう
ことがある。このように一つの家族から別の家族への移動が性急になされると、
自分の家族における未解決の問題が新たな結婚生活に持ち込まれる危険性が
出てくるのである。
『ブライス家の人々―家族療法の記録』
オーガスタス・Y・ナピア, カール・A・ウィテカー著
園 昌和 訳
家族療法とは、セラピストの元へ家族みんながやってくるセラピーです。
このブライス家の場合、6歳の女の子も参加しています。
最初は、16歳の長女の反抗期、非行に見えた問題も、
実は、両親の表面化されない不和が原因であり、
その根には、両親のそのまた両親の家族関係があったのでした。
以前紹介したインナーチャイルドと並んで、
個人的な問題ばかりに目を向けていると、解決できないこともあるのです。
トラックバック URL :